熱分解油と乾留油の違いとタイヤ熱分解油(TPO) / 熱分解装置 Biogreen / 熱分解油化炉
■ 熱分解油と乾留油の違い |
熱分解油とは
熱分解油とは、有機物を高温で熱分解する過程で得られる液体燃料や化学原料のことを指します。このプロセスでは、酸素があるいは、酸素がほとんどない環境下で有機物を加熱するため、燃焼は起こらず、分子構造が分解されてガス、液体、固体の生成物が得られます。生成されたガスを冷却・凝縮することで液体状の熱分解油が得られるのが特徴です。
熱分解油の主な原料としては、バイオマス(木材や農業廃棄物)、廃プラスチック、廃タイヤなどが挙げられます。これらはすべて炭素を多く含む有機物であり、熱分解を通じて新たなエネルギー資源や化学品の原料として再利用することが可能です。
得られた熱分解油は、産業用ボイラーや発電所の燃料として利用されるほか、重油の代替燃料としても広く用いられています。また、熱分解油に含まれる芳香族化合物や炭化水素類は、化学工業におけるさまざまな製品の原料になります。たとえば、廃プラスチックから得られる熱分解油は、新たなプラスチック製品の製造に役立てられ、廃タイヤ由来のものはカーボンブラックやタイヤ燃料油として活用されます。
このように、熱分解油は廃棄物の有効利用や資源循環を可能にするだけでなく、化石燃料の使用を抑える役割も果たしています。特にバイオマス由来の熱分解油は、燃焼による二酸化炭素排出が植物の成長過程で吸収されるため、炭素中立と見なされ、環境負荷の低減に寄与しています。そのため、熱分解油は持続可能なエネルギー資源として注目を集めています。
熱分解油の生成プロセス
有機物の加熱
原料として使用されるのは、バイオマス(木材、農業廃棄物)、廃プラスチック、廃タイヤなどの炭素を含む有機物です。高温(300~900℃程度)で熱分解が進みます。
熱分解生成物
ガス、液体(熱分解油)、固体(炭化物やチャー)が生成されます。生成されたガスを冷却・凝縮することで液体の熱分解油が得られます。
熱分解油の種類
バイオオイル(バイオマス由来の熱分解油):木材や農業廃棄物などを原料とする。燃料や化学品の原料として利用。
プラスチック熱分解油:廃プラスチックの熱分解によって生成される油。再生プラスチックや燃料の原料になる。
タイヤ熱分解油:廃タイヤを熱分解して得られる油。燃料やカーボンブラックの原料として利用。
主な用途
燃料:発電所や産業用ボイラーで使用されるほか、重油の代替燃料として利用可能です。
化学品の原料:芳香族化合物や炭化水素類を含むため、化学工業で幅広く利用されます。
再生資源:廃プラスチックやタイヤのリサイクル原料として用いられます。
特徴とメリット
廃棄物の有効利用:廃棄物を原料に変えるため、廃棄物削減や資源循環に貢献します。
炭素中立化(バイオマス由来の場合):バイオマスの熱分解油は、燃焼時に排出されるCO₂が植物の成長過程で吸収されるため、炭素中立と見なされます。
熱分解油は、持続可能なエネルギー資源の一環として注目され、特に化石燃料の代替や廃棄物のリサイクルにおいて重要な役割を果たしています。
乾留油とは
乾留油とは、有機物を空気を遮断した状態で加熱する乾留というプロセスによって得られる液体のことを指します。この方法では、酸素を供給しない環境下で加熱するため、燃焼は起こらず、物質が分解されて揮発性の成分が蒸発します。この蒸発した成分を冷却・凝縮することで液体が生成され、これが乾留油です。
乾留油は、原料となる物質によってその性質や用途が異なります。たとえば、木材を乾留すると木タールや木酢液といった油が得られます。これらはかつて防腐剤や燃料、化学工業の原料として広く利用されてきました。同様に、石炭を乾留することで石炭タールが生成されます。この石炭タールは、芳香族化合物を多く含み、染料や医薬品、さらには舗装材であるアスファルトの製造に利用されます。
近年では廃タイヤやプラスチックなどの廃棄物を乾留することで得られる油も注目されています。これらの乾留油は、燃料としての利用価値が高く、重油や軽油の代替として使用されることがあります。また、化学品の製造原料としても再利用され、廃棄物のリサイクルと環境負荷の軽減に貢献しています。
乾留油はその多用途性から、さまざまな産業分野で利用されており、特に資源の有効活用や持続可能なエネルギー供給の観点で重要な役割を果たしています。
主な特徴と生成プロセス
乾留プロセスでは、木材、石炭、ゴム、バイオマスなどの有機物を高温で加熱します。加熱する際、酸素がない環境(無酸素または低酸素)で反応させるため、燃焼は起こらず、分解のみが進行します。発生した蒸気を冷却して液体にすることで、乾留油が得られます。
乾留油の種類
木タール(木材乾留油):木材の乾留によって得られる油。木酢液(酢酸やメタノールを含む)もこの過程で得られます。
石炭タール(石炭乾留油):石炭の乾留によって得られる油。芳香族化合物が多く含まれ、化学工業の原料になります。
タイヤ乾留油:廃タイヤを乾留することで生成される油。燃料や化学品の原料として利用されます。
主な用途
燃料:乾留油は熱量が高く、産業用ボイラーや発電所の燃料として使用されます。
化学品の原料:芳香族化合物やフェノール類を含むため、さまざまな化学品の製造に利用されます。
製薬・農業:木酢液は防腐剤や農業資材として活用されることがあります。
乾留油は、資源の有効利用や廃棄物のリサイクルの観点からも注目されている素材です。
熱分解油と乾留油の違い
熱分解油と乾留油は、いずれも有機物を加熱して得られる液体ですが、その生成方法や特性、用途には明確な違いがあります。
熱分解油は、有機物を酸素のほとんどない環境下で高温(通常300~900℃)で加熱することによって得られます。このプロセスでは、原料となる物質の分子構造が分解されて、炭化水素や芳香族化合物、オレフィン類を含む液体が生成されます。原料にはバイオマス、廃プラスチック、廃タイヤなどが使用されることが多く、生成された熱分解油は燃料として重油の代替に用いられるほか、化学工業の原料としても利用されます。また、このプロセスは廃棄物リサイクルの一環として環境負荷の軽減にも寄与しており、特にバイオマス由来の場合は炭素中立が期待されます。
乾留油は、主に木材や石炭などの有機物を空気を遮断した状態で比較的低温から中温(200~500℃程度)で加熱する乾留というプロセスで得られます。この方法では、分子構造の大きな分解は行われず、揮発性成分が蒸発し、これを冷却・凝縮することで液体が生成されます。乾留油にはフェノール類やナフタレンなどの化学成分が含まれ、これらは燃料としてだけでなく、防腐剤、染料の原料、さらには医薬品やアスファルトの製造にも利用されます。
生成プロセスの違い
熱分解油は、有機物を酸素がほとんどない環境下で高温(300~900℃)で加熱し、分子構造を分解することで得られます。このプロセスは熱分解または熱化学処理と呼ばれます。
乾留油は、有機物を空気を遮断した状態で比較的低温(200~500℃程度)で加熱することで得られます。このプロセスは乾留と呼ばれ、分解というよりは揮発性成分の蒸発と凝縮を利用します。
主な原料
熱分解油は、バイオマス、廃プラスチック、廃タイヤなど幅広い原料から生成されます。
乾留油は、主に木材や石炭など、特定の有機物から生成されます。
生成物の性質
熱分解油は、分解によって得られる炭化水素類を多く含み、燃料としての利用に適しています。また、芳香族化合物やオレフィン類も含むため、化学工業の原料としても使用されます。
乾留油は、木タールや石炭タールのように、特有の化学成分(フェノール類、ナフタレンなど)を含みます。これらは燃料としてだけでなく、防腐剤や化学品の製造に利用されます。
主な用途
熱分解油は、重油の代替燃料や化学品の原料として幅広く利用されます。また、廃棄物リサイクルの一環として環境負荷を低減する役割を担います。
乾留油は、古くから燃料、木酢液、防腐剤、染料の原料などに利用されており、特に化学工業や農業分野での使用が多いです。
温度と酸素条件
熱分解油は、高温での分子分解が行われるため、より多くのエネルギーを供給する必要があります。
乾留油は、比較的低温での蒸発・凝縮によって得られるため、エネルギー消費が少ない傾向にあります。
まとめ
熱分解油と乾留油は、いずれもエネルギー資源や化学工業の原料として重要ですが、その生成プロセスと用途に明確な違いがあります。熱分解油は分解性の高いプロセスを通じて得られるため、廃棄物リサイクルや燃料用途に強みがあります。一方、乾留油は比較的シンプルなプロセスで得られ、化学製品や伝統的な防腐剤として活用されます。
項目 | 熱分解油 | 乾留油 |
---|---|---|
生成プロセス | 熱分解(高温で分子構造を分解) | 乾留(低温で揮発成分を蒸発・凝縮) |
温度範囲 | 高温(300~900℃程度) | 低温~中温(200~500℃程度) |
酸素条件 | 酸素がほとんどない環境 | 空気を遮断した環境 |
主な原料 | バイオマス、廃プラスチック、廃タイヤなど | 木材、石炭など |
生成物の性質 | 炭化水素、芳香族化合物、オレフィン類を多く含む | フェノール類、ナフタレンなどを多く含む |
主な用途 | 燃料(重油代替)、化学品の原料 | 燃料、防腐剤、化学品の原料 |
代表例 | タイヤ熱分解油、プラスチック熱分解油 | 木タール、石炭タール |
環境への影響 | 廃棄物のリサイクル、炭素中立(バイオマス由来の場合) | 資源の有効利用、防腐剤や染料原料としての活用 |
エネルギー消費 | 高温が必要なため比較的高い | 低温で生成されるため比較的低い |
■ タイヤ熱分解油(TPO) の製造 / タイヤリサイクルパートナーであるMurfitts Industries 社との基本設計契約締結 |
2024年9月4日
Vow ASA(ETIA社の親会社)は、本日、子会社Scanship ASが、廃タイヤリサイクルのリーディングカンパニーである Murfitts Industries とのFEED(基本設計)契約を締結したと発表しました。
この契約は、両社が商業規模で廃タイヤから原材料を回収し再利用するプロセスの開発に協力してきたプログラムの最新のステップです。このプログラムの主な目的は、メーカーが回収した材料を新しいタイヤの生産に使用できるようにすることであり、これにより、製品のライフサイクルを完結させることができます。
この新しいFEED契約により、大規模な熱分解プラントの設計と建設計画が策定され、2026年の稼働開始が予定されています。このプラントでは、回収カーボンブラック(rCB)が生産され、新しいタイヤの生産に使用されます。また、タイヤ熱分解油(TPO)は精製して持続可能な燃料を生産することができ、合成ガスはエネルギーに変換できます。
このプロセスに関する広範な試験により、回収された材料がメーカーが製品に求める高い基準を満たしていることが示されました。特に、バージン素材に代えて二次素材を製品に再利用することで、自社の持続可能性を向上させたいと考える企業にとって魅力的なものです。
マーク・マーフィット氏 (Murfitts Industries最高経営責任者) は次のように述べています。「当社は長年にわたりVowと協力してきましたが、今回のFEED契約は、当社の協力関係における重要なマイルストーンとなります。当社は、使用済みタイヤの持続可能な再生処理において業界をリードするプログラムの開発に重点的に取り組んできました。次の段階への投資により、商業規模でメーカーのニーズに応えることができる工場が実現します。これは、再生材料の品質と量について、メーカーに確実性、予測可能性、信頼性を提供するために不可欠なことです。」
Murfitts Industriesは英国最大のタイヤリサイクル企業であり、European Tyre Enterprise Limited (ETEL) のグループ企業です。ETELグループには、英国、オランダ、イタリアで事業を展開する大手タイヤ小売企業、およびタイヤ卸売・流通ネットワークを傘下に置いています。ETELの親会社は東京証券取引所に上場している伊藤忠商事です。
原文のプレリリースは下記VOW社のサイトのページをご覧ください。
Feed contract with tyre recycling partner Murfitts Industries | Vow
廃タイヤの熱分解による 回収カーボンブラック(rCB)とタイヤ熱分解油(TPO)の製造 / 熱分解装置 Biogreen / 炭化, 油化
■ タイヤ熱分解油(TPO)とは |
タイヤ熱分解油(TPO)とは、廃タイヤを高温で熱し、酸素が少ない状態で分解することで得られる油のことです。このプロセスでは、タイヤを構成するゴムやその他の有機物が分解され、液体の油、ガス、そして炭素質の残渣に分離されます。
TPOの製造過程は、まず廃タイヤを収集し、金属部分などを除去した後、高温の反応器に入れて熱分解を行います。この際、酸素を遮断することで、タイヤが燃焼せずに分解が進みます。得られた油は、そのままでは粘度が高く、不純物も含まれているため、燃料として利用するためには精製が必要な場合もあります。
TPOのメリットとしては、廃タイヤの有効活用による環境負荷の軽減、燃料としての利用による化石燃料の代替、そして資源の循環型社会の実現などが挙げられます。しかし、品質の安定化や製造コストの高さなど、課題も残されています。
TPOは、その特性から様々な用途が期待されています。具体的には、ボイラーや窯などの燃料、化学製品の原料、アスファルトの改質材などとして利用されています。
近年、環境問題への関心の高まりとともに、廃棄物の有効活用が求められており、TPOはそのような中で注目されている技術の一つです。今後、さらなる研究開発が進み、TPOがより広く利用されることが期待されています。
TPOの製造プロセス
廃タイヤの収集・処理: 使用済みタイヤを収集し、金属部分などを除去します。
熱分解: 処理されたタイヤを高温の反応器に入れ、酸素を遮断した状態で加熱します。この過程でタイヤを構成する高分子化合物などが分解され、油状の液体、ガス、炭素質の残渣に分離されます。
冷却と分離: 生まれたガスを冷却し、液体のTPOと未凝縮ガスに分離します。
TPOの成分と特徴
複雑な成分: TPOは、様々な炭化水素化合物から構成されており、その組成は熱分解条件によって異なります。
高カロリー: 石油由来の燃料と比較して、カロリーが高く、燃料としての利用が期待されています。
粘度が高い: 一般的に粘度が高いため、そのままでは燃料として使いづらい場合があります。
不純物を含む: 製造過程で不純物が混入することがあり、精製が必要な場合もあります。
TPOの用途
燃料: ボイラー、窯、発電設備などの燃料として利用されています。
化学製品の原料: TPOを原料として、様々な化学製品を製造することが可能です。
アスファルトの改質: アスファルトに混ぜることで、耐久性を向上させることができます。
TPOのメリット
廃棄物処理: 廃タイヤの有効活用となり、環境問題の解決に貢献します。
エネルギー源: 燃料として利用することで、化石燃料の消費を抑制できます。
資源循環: 廃棄物を新たな資源として利用する循環型社会の実現に繋がります。
TPOの課題
品質の安定化: 製造条件によって品質が変動するため、安定した品質のTPOを製造するための技術開発が求められています。
環境への影響: 製造過程や燃焼時に有害物質が発生する可能性があり、環境への影響評価が重要です。
経済性: 現在、TPOの製造コストは高いため、経済的な製造プロセスが求められています。
■ 熱分解油とタイヤ熱分解油(TPO)の違い |
原料の違い
熱分解油は、さまざまな有機廃棄物を原料とする液体燃料の総称です。原料には、プラスチック、木材、農業廃棄物、バイオマスなどが含まれます。
タイヤ熱分解油(TPO)は、特に廃タイヤを原料として生成される熱分解油の一種です。タイヤには天然ゴム、合成ゴム、炭素ブラック、油分などが含まれており、これがTPO特有の成分を形成します。
成分の違い
熱分解油の成分は原料に依存します。例えば、プラスチックを原料とする場合は、主に炭化水素が含まれますが、バイオマスを原料とすると酸素含有成分が多くなることがあります。
TPOは、廃タイヤ特有の成分(芳香族炭化水素、オレフィン、軽油成分など)を含みます。その結果、TPOはエネルギー密度が高く、燃料としての利用に適しています。
用途の違い
熱分解油は、燃料、化学品原料、または特定の用途向けに再精製されて使用されます。用途は原料と生成プロセスによって大きく異なります。
TPOは主に燃料として使用され、産業用ボイラーや発電機の燃料として利用されることが多いです。また、適切に精製することで、軽油やディーゼルの代替品としても活用可能です。
環境的側面の違い
熱分解油全般は廃棄物の減量化や再利用の観点から環境負荷を低減しますが、その環境影響は原料とプロセスに依存します。
TPOは、廃タイヤのリサイクルという特定の廃棄物処理に寄与し、廃タイヤの埋立処理による環境負荷を軽減する効果があります。また、化石燃料の代替として使用することで、二酸化炭素排出量の削減が期待されます。
まとめ
熱分解油は広範な原料から生成される液体燃料を指す一般的な用語であり、TPOはその中でも廃タイヤを原料とする特化したタイプの熱分解油です。両者は原料や用途に応じて特性が異なり、それぞれの分野で持続可能な資源利用に貢献しています。
項目 | 熱分解油 (Pyrolysis oil) | タイヤ熱分解油 (TPO: Tire Pyrolysis Oil) |
---|---|---|
原料 | 廃プラスチック、バイオマス、廃タイヤなど | 廃タイヤのみ |
成分 | 炭化水素、フェノール類、アルデヒド類、ケトン類など | 炭化水素、芳香族化合物、アスファルト成分、硫黄など |
熱分解温度 | 約400~600°C | 約450~750°C |
特徴的な成分 | 揮発性炭化水素、フェノール類、酸化物、アルコール | 高温で生成される芳香族化合物(ベンゼン、トルエンなど)、硫黄化合物 |
用途 | エネルギー源(燃料)、化学原料(バイオケミカル) | 燃料(主に燃焼用)、石油化学産業向けの原料 |
硫黄含量 | 通常低い | 高いことが多い |
色 | 茶色から黒色 | 黒色 |
処理方法 | 精製が必要な場合が多い | 高温で分解した後、さらに精製が必要な場合が多い |
Biogreen の熱分解処理は、化石燃料や火気を一切使用しない低圧電流のジュール熱で行われる電気での加熱です。このため、処理時に地球温暖化ガスCO2が発生しません。また、熱分解処理にとって非常に重要な温度と機内滞留時間の管理調整は、モニターで管理し、タッチパネル操作で簡単に実行できます。安全衛生面でも非常に優れています。
装置の設置面積は小さくコンパクトで、コンテナー内設置も可能です。連続式での運転のため、24時間連続運転が可能で、運転状況はモニターで監視し、運転管理操作はタッチパネルで簡単にできます。人手を必要としない自動化されたシステムです。
Biogreenは、国際特許技術を取得した他に類を見ない電気熱源の連続式熱分解装置で、構造が単純で部品数が少ないため、故障しにくくメンテナンスが容易で、長時間の使用にも耐えられます。化石燃料を使用するバーナーの直火加熱や熱風加熱による熱分解、ガス化、炭化装置と比較すると、Biogreenの熱分解装置は地球温暖化ガスを排出しない「脱炭素」であり、安全性、設置面積、操作性、メンテナンス性などで明らかな優位性を持っています。
熱分解は、無酸素状態で処理物を加熱することにより、ガスと炭を生成します。ガスを冷却することにより油が生成されます。ガス、炭、及び油は全て利活用ができ、それらを利活用することにより廃棄物が一切なくなるゼロエミッションが可能です。
熱分解処理は加熱温度によりその処理物から生成される割合が異なります。温度が高いほどガスが多く生成され、温度が低いほど炭が多く生成されます。高温での熱分解では、炭の生成割合が少なくなりますが、質の良い安定した炭が製造できます。オイルについては、ガスを冷却・凝縮することにより生成されますが、下記のグラフでは、加熱温度が約500℃の場合が最も多く製造できます。
Biogreenは、熱源が電気のため、熱分解処理にとって重要な加熱温度、滞留時間の調整がタッチパネル式で簡単にできるうえ、処理時にCO2の発生はありません。バーナー式等化石燃料の火気を使用した熱分解装置は温度調整が難しく熱分解時にCO2を大量に発生します。
熱分解によるバイオコークスの製造は、バイオ炭の製造時より高温で加熱し、品質の良い炭化物を生成しますが、Biogreenでは加熱温度の調整が容易にできます。
■ 熱分解装置で Biogreen が選ばれる理由 |
Biogreen が熱分解装置として選ばれる理由は、その高い環境性能と効率性、そして操作性の良さにあります。まず、Biogreen は電気を熱源とするため、化石燃料を使用せずにCO2排出ゼロの運転が可能です。これにより、従来の熱分解装置に比べて環境負荷を大幅に低減します。また、電熱スクリューによる直接加熱方式を採用しており、高い熱効率を実現。エネルギー消費を最小限に抑えながら、原料を効率的に処理します。
さらに、この装置は温度や滞留時間を精密に制御できるため、バイオ炭やバイオコークス、回収カーボンブラックなど、用途に応じた高品質な製品を安定して生産できます。その一方で、コンパクトな設計により設置スペースを最小限に抑えることができ、工場環境への適応性も高いです。
Biogreen はまた、さまざまな原料、例えばバイオマス、廃棄物、プラスチック、タイヤなどに対応できる汎用性を備えており、ユーザーが特定の材料に縛られることなく幅広い用途に活用できる点も魅力です。そして、操作性にも優れ、自動化されたシステムと直感的なインターフェースにより、日常的な運用が容易でメンテナンスも簡単です。
これらの特徴を備えた Biogreen は、持続可能性、効率性、そして柔軟性を兼ね備えた次世代の熱分解装置として、多くの分野で選ばれています。
CO2排出ゼロの熱源
Biogreen は電気を熱源として使用しており、化石燃料を使わないため、プロセス中のCO2排出がありません。
高い熱効率
加熱スクリューを用いることで、原料を直接効率的に加熱できます。この設計により、エネルギー消費が抑えられます。
精密な温度制御
加熱温度と滞留時間を正確に調整できるため、目的の製品特性(バイオ炭、バイオコークス、回収カーボンブラックなど)を達成しやすくなります。
コンパクトな設計
システムが省スペースで設置可能なため、工場内での柔軟な配置が可能です。
広い原料適応性
バイオマス、廃棄物、タイヤ、プラスチックなど、さまざまな原料に対応できる多用途性があります。
高品質な製品の一貫性
一貫した熱分解プロセスにより、得られる製品の品質が安定しています。
環境負荷の低減
排出ガスが最小限に抑えられ、持続可能なプロセスを実現します。
操作とメンテナンスの容易さ
自動化されたシステムと直感的な操作インターフェースにより、運用が簡単でメンテナンスの負担も軽減されます。
これらの理由により、Biogreen は熱分解プロセスにおける効率性と持続可能性を両立する選択肢として評価されています。
木くずのバイオ炭の製造
Biogreen BGR CM 600 mobile unit
電熱スクリュー Spriajoule
熱分解装置 Biogreen
■ 電熱スクリュー Spirajoule |
Spirajouleは国際特許取得済みの熱分解装置です。Biogreenシステムの心臓部と言えます。最適な熱分解処理は滞留時間と加熱温度の調整で行います。この調整がこの装置では簡単に行えます。
熱分解は 無酸素状態の密閉された
下記パンフレットはこちらをクリック頂ければダウンロードできます。
Spirajoule Electrical technology 2024
■ Biogreen 熱分解装置 システム |
Biogreen は投入された原料を無酸素での加熱、熱分解を行ないます。熱分解により原料より炭素分のみを残し、原料に含まれる可燃性ガス等の合成ガスを発散させます。投入原料を選ばず、熱分解処理でガス、炭、オイルを製造発生させそれぞれが利活用ができ、その廃棄物が持つエネルギーは最大限利活用され廃棄物はなくなります。
Biogreen の熱分解処理は化石燃料、火気は一切使用しない低圧電流のジュール効果で行なう電気での加熱そして連続式での運転のため、24時間連続運転が可能で運転状況はモニターで監視し、運転管理操作はタッチパネルで楽にでき、人手を必要としません。Biogreen は国際特許技術で他にはない独自の熱分解装置ですが、構造は単純で部品点数は少なく壊れにくくメンテナンスは楽で長持ちし長時間使用ができます。熱分解処理にとり非常に重要な温度、機内滞留時間の管理調整はモニターで管理しタッチパネル操作で簡単にでき、安全衛生面でもとても優れています。装置の設置面積は小さくコンパクトでコンテナー内設置も可能で移動もでき、場所を選びません。
Biogreen は熱分解時の加熱温度によりガス、炭化物を作り出す産出の割合が異なります。そのため、熱分解装置 Biogreen は炭化装置、炭化炉あるいはガス化装置、ガス化炉とも言えます。熱分解後のその産出製造物の利用目的に合わせ加熱温度の調整を行ないますが、その温度調整、管理は、Biogreenであれば電気加熱式ですので簡単に確実に行なえます。又、その加熱は石油燃料を一切使用せず火気は未使用のため安全衛生面、運転操作面で火気使用熱分解装置、炭化炉、ガス化炉と比較すると非常に優れていると言えます。
Biogreenは火気を一切使用しない電気加熱での連続式熱分解装置ですので、運転は簡単で安全衛生面に優れています。 |
原料の利用用途に合わせた熱分解処理が、温度及び滞留時間調整で簡単に行えます。 |
廃棄物、バイオマスのBiogreen熱分解処理でガス化、炭化、オイル製造ができます。 |
発電、燃料化、土壌改良剤、原料使用など様々な用途で利用できゼロエミッションが可能です。 |
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