バイオ炭とバイオコークスの違いとバイオコーク / 熱分解装置 Biogreen / 熱分解炭化炉
■ バイオ炭(Biochar)とバイオコークス(Biocoke)の違い |
バイオ炭(Biochar)とは
バイオ炭とは、植物残渣や有機廃棄物を原料とし、350℃以上の高温で無酸素または低酸素環境下で加熱することで生成される炭素を多く含む物質です。この製造プロセスは熱分解または炭化と呼ばれ、原料中の揮発性成分を除去し、炭素含有率の高い安定した形状の物質を作り出します。
この過程で生成されるバイオ炭は、独特の多孔質構造を持ち、高い吸着性を備えています。そのため、土壌に添加することで保水性や通気性を改善し、肥料の効率を高めるなど、農業分野での利用が広がっています。また、バイオ炭は非常に安定した形で炭素を固定するため、大気中の二酸化炭素を長期間隔離し、気候変動の緩和に寄与する点でも注目されています。
さらに、その高い吸着能力を活かし、廃水処理や汚染土壌の浄化にも活用されています。重金属や有害物質を吸着する能力が高いため、環境保全においても重要な役割を果たしています。製造過程で発生するバイオガスやバイオオイルはエネルギー源として利用されるため、資源の無駄を最小限に抑えることができます。
このように、バイオ炭は土壌改良、炭素固定、廃棄物管理、エネルギー回収といった多様な分野で持続可能な社会を支える重要な役割を果たしています。
特徴:
350℃以上の温度での熱分解
バイオ炭は通常、350〜700℃程度の温度範囲で熱分解されます。この範囲で、原料中の揮発性物質が除去され、炭素含有率が高い安定した物質が生成されます。
多孔質構造
高温での加熱により内部に多くの微細な孔が形成され、これが吸着能力や保水性、通気性を向上させます。
炭素固定
炭素が安定した形で固定されるため、長期間土壌やその他の環境中で分解されにくく、二酸化炭素の放出を抑えます。
利用方法:
土壌改良
保水性や養分保持能力を向上させるために農地へ添加されます。これにより、作物の収量が改善されます。
気候変動の緩和
大気中の二酸化炭素を原料バイオマスを通じて取り込み、熱分解により炭素を長期間固定することで、温室効果ガスの削減に貢献します。
廃水・汚水処理
高い吸着能力を利用して、水中の有害物質や重金属を除去するために使用されます。
エネルギー利用
バイオ炭の生成過程で得られる副産物(バイオガスやバイオオイル)は再生可能エネルギーとして利用できます。
動物飼料
飼料にバイオ炭を添加することで、家畜の消化機能の改善や腸内環境の調整に役立つとされています。
製造プロセスの概要:
原料投入
廃棄バイオマス(木材、稲わら、食品残渣など)を原料とする。
加熱(350℃以上)
無酸素環境で加熱することで、揮発性物質を除去し、炭素が多く含まれるバイオ炭が生成される。
副産物の回収
熱分解中に生成されるバイオガスやバイオオイルも有用なエネルギー源として回収される。
環境への貢献:
炭素の長期固定
バイオ炭は土壌中で安定し、数百年から数千年にわたり炭素を固定できるとされています。
廃棄物の有効利用
廃棄されるバイオマスをリサイクルして資源として活用することで、廃棄物削減にも寄与します。
バイオ炭は農業、廃棄物管理、気候変動対策など、多方面での応用が期待されています。
バイオ炭 |
出典:Wiki バイオ炭 |
バイオコークス(Biocoke)とは
バイオコークスとは、植物由来の有機性資源(バイオマス)を原料として製造される固形燃料の一種です。この燃料は、光合成によって生成された植物から作られ、特に高温環境下での長時間燃焼が可能であることが特徴です。バイオコークスは、従来の石炭コークスの代替燃料としての利用が期待されており、製造過程で廃棄物を出さない「ゼロエミッション燃料」としても注目されています。
バイオコークスの製造は、原料となる植物を高温・高圧下で加熱することによって行われます。このプロセスでは、原料中のヘミセルロースが熱分解され、接着効果が発揮されることで固形化が進みます。結果として、元の植物の体積は5分の1以下に圧縮され、化学的に安定した燃料が生成されます。バイオコークスは、圧縮強度が高く、輸送や保管が容易で、長期間の保存が可能です。また、自然発火のリスクが低く、環境への負荷も少ないため、持続可能なエネルギー源としての利用が期待されています。
このように、バイオコークスは、化石燃料の代替としての役割を果たすだけでなく、カーボンニュートラルな特性を持つため、環境保護の観点からも重要な資源とされています。近畿大学の井田民男教授によって開発されたこの技術は、国内外での実証実験が進められており、今後の普及が期待されています。
定義: バイオコークスは、植物由来の有機性資源(バイオマス)を原料として製造される固形燃料で、特に高温環境下での長時間燃焼が可能です。
製造方法: 原料となるバイオマスを高圧・高温で加熱し、一定時間保持した後に冷却することで製造されます。このプロセスにより、圧縮強度が高く、安定した燃料が得られます。
特性:
高密度で高硬度
長時間の緩慢燃焼が可能
ゼロエミッション燃料(製造時に廃棄物を出さない)
重量収率が100%(投入原料と製品の重量が同じ)
用途: 主に製鉄業での石炭コークスの代替燃料として利用され、金属溶解や廃棄物処理などにも応用されます。
環境への配慮: バイオコークスは、化石燃料に比べてCO2排出量が少なく、持続可能なエネルギー源としての可能性が高いとされています。
原料の多様性: 木材や農作物の残渣、さらには台所から出る植物性廃棄物など、さまざまなバイオマスが原料として利用可能です。
このように、バイオコークスは環境に優しいエネルギー源としての特性を持ち、今後の普及が期待されています。
バイオ炭とバイオコークスの違い
バイオ炭とバイオコークスはどちらもバイオマスを原料として生成される炭素素材ですが、その目的、製造プロセス、特性が大きく異なります。
バイオ炭は主に土壌改良や環境保全を目的として利用される素材です。バイオマスを300~700°C程度の低温で酸素の供給を抑えた環境下で炭化することで、多孔質構造を持つ炭素素材が生成されます。この多孔質構造により、土壌中で水分や栄養分を保持しやすくなるだけでなく、汚染物質を吸着する特性も持ちます。また、バイオ炭は炭素を長期間土壌に固定する能力があり、大気中の二酸化炭素濃度の削減、つまり地球温暖化対策にも寄与します。その軽量で多孔質な性質から、農業や水質浄化など幅広い環境分野で活用されています。
一方で、バイオコークスは主に燃料として利用される高密度な炭素素材です。バイオマスを高温で加熱し、炭化後に圧縮成形することで強固な塊状のコークスが生成されます。この高い密度と強度により、燃料としての扱いやすさや効率性が特徴です。バイオコークスは石炭などの化石燃料の代替として産業炉やボイラーの燃料に使用されるほか、家庭用燃料としても利用されています。燃焼することでエネルギーを供給する用途が中心であるため、使用時に二酸化炭素が排出されるものの、化石燃料を置き換えることで全体的なCO₂排出削減効果が期待されています。
このように、バイオ炭は主に環境保全や農業分野での利用を重視し、炭素を固定する役割を果たすのに対し、バイオコークスは燃料として高エネルギー密度を活かして利用される点で大きな違いがあります。両者は目的も特性も異なるものの、いずれも持続可能な社会の実現に向けて重要な役割を果たしている炭素素材です。
バイオ炭とバイオコークスはどちらもバイオマスを原料にして生成される炭素素材ですが、用途や製造プロセス、特性に大きな違いがあります。
目的と用途
バイオ炭 | バイオコークス |
---|---|
主に土壌改良や環境保全に使用される。例:炭素固定、土壌の保水性改善、汚染物質の吸着。 | 主に燃料として使用される。例:工業炉、ボイラー、家庭用燃料などのエネルギー源。 |
環境改善が主目的。 | 高エネルギー密度で代替燃料として利用。 |
製造プロセス
バイオ炭 | バイオコークス |
---|---|
バイオマスを低温(300~700°C)で炭化。酸素が少ない環境で加熱して、多孔質構造を持つ炭素素材を生成。 | バイオマスを加熱圧縮。強固な塊状のコークスを形成。炭化プロセス後に機械的に圧縮される場合もある。 |
特性
バイオ炭 | バイオコークス |
---|---|
軽量で多孔質。 炭素固定率が高く、長期間土壌に留まる。 水分や栄養分を吸着しやすい。 | 高密度で固体状。 高いエネルギー密度を持つ。強度が高く、燃料としての扱いやすさに優れる。 |
炭素固定と環境への影響
バイオ炭 | バイオコークス |
---|---|
炭素を長期間土壌に固定化し、地球温暖化対策に寄与。 | 使用時に燃焼されるため、一部CO₂を排出。ただし、化石燃料の代替として利用することで排出削減効果がある。 |
主な使用例
バイオ炭 | バイオコークス |
---|---|
農地の土壌改良。廃水処理での吸着材。温室効果ガス削減(炭素貯留)。 | 石炭コークスの代替。石炭代替燃料。産業炉の燃料。家庭用燃料。 |
まとめ
- バイオ炭は環境保全や土壌改良を主目的とした素材で、農業や環境分野で活躍します。
- バイオコークスは燃料として化石燃料の代替を目指した素材で、エネルギー分野で使用されます。
両者は目的や特性が異なるものの、いずれもバイオマス由来であり、持続可能な社会の実現に貢献する点では共通しています。
■ バイオコークスとバイオコーク |
バイオコークという用語は、実際には一般的に使用されていない造語であり、正式な学術的または産業的な用語ではありません。
バイオコークスは、木質バイオマスや農業廃棄物などの有機資源を無酸素または低酸素環境下で高温で熱分解して製造される固体燃料の正式な呼称です。「バイオコーク」という用語は、現時点では一般的に認知されておらず、科学的または産業的な文脈で使用されていません。
バイオコークスが正確で広く認められた用語であり、「バイオコーク」は存在しない、または使用されていない用語であると言えます。専門的な文脈や学術的な議論においては、バイオコークスを使用するのが適切です。
バイオコークスとバイオコークは、実際には同じ意味を指す用語であり、明確な違いはありません。これらは同一の製造プロセスと目的を持つ、実質的に同じ製品を指す言葉です。
両用語とも、木質バイオマスや農業廃棄物などの有機資源を無酸素または低酸素環境下で高温で熱分解して得られる固体炭化物を表現しています。製造方法、原料、使用目的において本質的な違いはなく、文脈や地域、業界によって使い分けられることがあります。
したがって、バイオコークスとバイオコークは、同一の製品を指す異なる表記と考えるのが最も適切です。どちらの用語を使用しても、再生可能な固体燃料や炭化物を意味することになります。
Biogreen の熱分解処理は、化石燃料や火気を一切使用しない低圧電流のジュール熱で行われる電気での加熱です。このため、処理時に地球温暖化ガスCO2が発生しません。また、熱分解処理にとって非常に重要な温度と機内滞留時間の管理調整は、モニターで管理し、タッチパネル操作で簡単に実行できます。安全衛生面でも非常に優れています。
装置の設置面積は小さくコンパクトで、コンテナー内設置も可能です。連続式での運転のため、24時間連続運転が可能で、運転状況はモニターで監視し、運転管理操作はタッチパネルで簡単にできます。人手を必要としない自動化されたシステムです。
Biogreenは、国際特許技術を取得した他に類を見ない電気熱源の連続式熱分解装置で、構造が単純で部品数が少ないため、故障しにくくメンテナンスが容易で、長時間の使用にも耐えられます。化石燃料を使用するバーナーの直火加熱や熱風加熱による熱分解、ガス化、炭化装置と比較すると、Biogreenの熱分解装置は地球温暖化ガスを排出しない「脱炭素」であり、安全性、設置面積、操作性、メンテナンス性などで明らかな優位性を持っています。
熱分解は、無酸素状態で処理物を加熱することにより、ガスと炭を生成します。ガスを冷却することにより油が生成されます。ガス、炭、及び油は全て利活用ができ、それらを利活用することにより廃棄物が一切なくなるゼロエミッションが可能です。
熱分解処理は加熱温度によりその処理物から生成される割合が異なります。温度が高いほどガスが多く生成され、温度が低いほど炭が多く生成されます。高温での熱分解では、炭の生成割合が少なくなりますが、質の良い安定した炭が製造できます。
Biogreenは、熱源が電気のため、熱分解処理にとって重要な加熱温度、滞留時間の調整がタッチパネル式で簡単にできるうえ、処理時にCO2の発生はありません。バーナー式等化石燃料の火気を使用した熱分解装置は温度調整が難しく熱分解時にCO2を大量に発生します。
熱分解によるバイオコークスの製造は、バイオ炭の製造時より高温で加熱し、品質の良い炭化物を生成しますが、Biogreenでは加熱温度の調整が容易にできます。
■ 熱分解装置で Biogreen が選ばれる理由 |
Biogreen が熱分解装置として選ばれる理由は、その高い環境性能と効率性、そして操作性の良さにあります。まず、Biogreen は電気を熱源とするため、化石燃料を使用せずにCO2排出ゼロの運転が可能です。これにより、従来の熱分解装置に比べて環境負荷を大幅に低減します。また、電熱スクリューによる直接加熱方式を採用しており、高い熱効率を実現。エネルギー消費を最小限に抑えながら、原料を効率的に処理します。
さらに、この装置は温度や滞留時間を精密に制御できるため、バイオ炭やバイオコークス、回収カーボンブラックなど、用途に応じた高品質な製品を安定して生産できます。その一方で、コンパクトな設計により設置スペースを最小限に抑えることができ、工場環境への適応性も高いです。
Biogreen はまた、さまざまな原料、例えばバイオマス、廃棄物、プラスチック、タイヤなどに対応できる汎用性を備えており、ユーザーが特定の材料に縛られることなく幅広い用途に活用できる点も魅力です。そして、操作性にも優れ、自動化されたシステムと直感的なインターフェースにより、日常的な運用が容易でメンテナンスも簡単です。
これらの特徴を備えた Biogreen は、持続可能性、効率性、そして柔軟性を兼ね備えた次世代の熱分解装置として、多くの分野で選ばれています。
CO2排出ゼロの熱源
Biogreen は電気を熱源として使用しており、化石燃料を使わないため、プロセス中のCO2排出がありません。
高い熱効率
加熱スクリューを用いることで、原料を直接効率的に加熱できます。この設計により、エネルギー消費が抑えられます。
精密な温度制御
加熱温度と滞留時間を正確に調整できるため、目的の製品特性(バイオ炭、バイオコークス、回収カーボンブラックなど)を達成しやすくなります。
コンパクトな設計
システムが省スペースで設置可能なため、工場内での柔軟な配置が可能です。
広い原料適応性
バイオマス、廃棄物、タイヤ、プラスチックなど、さまざまな原料に対応できる多用途性があります。
高品質な製品の一貫性
一貫した熱分解プロセスにより、得られる製品の品質が安定しています。
環境負荷の低減
排出ガスが最小限に抑えられ、持続可能なプロセスを実現します。
操作とメンテナンスの容易さ
自動化されたシステムと直感的な操作インターフェースにより、運用が簡単でメンテナンスの負担も軽減されます。
これらの理由により、Biogreen は熱分解プロセスにおける効率性と持続可能性を両立する選択肢として評価されています。
木くずのバイオ炭の製造
Biogreen BGR CM 600 mobile unit
熱分解装置 Biogreen
■ 電熱スクリュー Spirajoule |
Spirajouleは国際特許取得済みの熱分解装置です。Biogreenシステムの心臓部と言えます。最適な熱分解処理は滞留時間と加熱温度の調整で行います。この調整がこの装置では簡単に行えます。
熱分解は 無酸素状態の密閉された
下記パンフレットはこちらをクリック頂ければダウンロードできます。
Spirajoule Electrical technology 2024
■ Biogreen 熱分解装置 システム |
Biogreen は投入された原料を無酸素での加熱、熱分解を行ないます。熱分解により原料より炭素分のみを残し、原料に含まれる可燃性ガス等の合成ガスを発散させます。投入原料を選ばず、熱分解処理でガス、炭、オイルを製造発生させそれぞれが利活用ができ、その廃棄物が持つエネルギーは最大限利活用され廃棄物はなくなります。
Biogreen の熱分解処理は化石燃料、火気は一切使用しない低圧電流のジュール効果で行なう電気での加熱そして連続式での運転のため、24時間連続運転が可能で運転状況はモニターで監視し、運転管理操作はタッチパネルで楽にでき、人手を必要としません。Biogreen は国際特許技術で他にはない独自の熱分解装置ですが、構造は単純で部品点数は少なく壊れにくくメンテナンスは楽で長持ちし長時間使用ができます。熱分解処理にとり非常に重要な温度、機内滞留時間の管理調整はモニターで管理しタッチパネル操作で簡単にでき、安全衛生面でもとても優れています。装置の設置面積は小さくコンパクトでコンテナー内設置も可能で移動もでき、場所を選びません。
Biogreen は熱分解時の加熱温度によりガス、炭化物を作り出す産出の割合が異なります。そのため、熱分解装置 Biogreen は炭化装置、炭化炉あるいはガス化装置、ガス化炉とも言えます。熱分解後のその産出製造物の利用目的に合わせ加熱温度の調整を行ないますが、その温度調整、管理は、Biogreenであれば電気加熱式ですので簡単に確実に行なえます。又、その加熱は石油燃料を一切使用せず火気は未使用のため安全衛生面、運転操作面で火気使用熱分解装置、炭化炉、ガス化炉と比較すると非常に優れていると言えます。
Biogreenは火気を一切使用しない電気加熱での連続式熱分解装置ですので、運転は簡単で安全衛生面に優れています。 |
原料の利用用途に合わせた熱分解処理が、温度及び滞留時間調整で簡単に行えます。 |
廃棄物、バイオマスのBiogreen熱分解処理でガス化、炭化、オイル製造ができます。 |
発電、燃料化、土壌改良剤、原料使用など様々な用途で利用できゼロエミッションが可能です。 |
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