許容電流について / 電気式熱分解装置 Biogreen

熱分解装置 Biogreen は電気式のジュール熱での加熱ですので電線ケーブルの選定は非常に重要です。必ず流す電流値の許容電流内のケーブルの選定を行ないます。

許容電流とは
許容電流とは、電線やケーブルに流せる電流の最大値です。電線やケーブルに電流を流すと、電流が流れる導体の抵抗によりジュール熱が発生し発熱します。その発熱があまりに大きいと電線が劣化したり電線の被覆が溶け、場合によっては発火します。
そのためケーブルは許容電流という数値を定め、流せる電流値を制限しています。
導体に抵抗がなければ、発熱することがないため電流をいくらでも流せますが、導体には必ず抵抗があり電流を流すとジュール熱が発生します。電流値が大きいほど大きな発熱となるため、電線の許容電流を超した電流を長時間流すと、加熱された電線内の導体が絶縁物やシースを溶かし、短絡(ショート)してしまい火災事故につながる可能性があります。
但し、電線ケーブルの許容電流は、下記によって変化します。
1.絶縁体の種類:絶縁被覆の許容温度が絶縁体によって異なります。
2.周囲温度:周囲温度によってはケーブルの耐熱温度に影響します。
3.電線の布設方法:布設方法により、熱の拡散のし易さが異なります。

一般的な電線ケーブルの断面図は下記です。
電線ケーブル断面図 熱分解装置 Biogreen 2018.2.5


許容電流は、導体を被覆している絶縁体の種類、電線を敷設する場所の周囲温度、電線管やラックに乗せるなど電線の敷設方法の3つに大きく影響されます。
絶縁体の種類については、例えばビニル絶縁電線よりも架橋ポリエチレン絶縁電線の方が熱に対して強いため、許容電流を高く設定できます。
電線を構成する材料だけでなく、電線を敷設する場所も大きく許容電流に影響します。敷設環境が高温の場合、電流を流さない状態であっても電線温度が高くなるため、電流による温度上昇の余裕がなくなり、許容電流値が小さくなります。
電線管に電線を収容したり、ケーブルラックに電線を多段積みした場合、熱の放熱性能が悪化し許容電流値が低くなり流す電流値を低くしなければ異常発熱の原因となります。流せる電流値の限界が低くなれば、ケーブルサイズが大きくなってしまい、経済的ではありません。

許容電流超過による事故の例
許容電流を超過した電流をケーブルや電線に流すと、異常発熱による発火事故を引き起こします。頻繁に機器が入れ替わる等、増設・移設工事を繰り返した結果、ケーブルラック上に2段3段に電力ケーブルが重なることで熱の放熱性能が著しく低下し、ケーブルから火を噴いたという事例があります。
身近な例ではドラムリールの発火があります。ドラムリールに電線を巻き付けたまま使用すると、電線が重なった部分の熱の放熱性能が著しく低下に、大きな電流を流すと異常発熱によって発火します。ドラムリールの場合、本来では、15A程度の電流を安全に流せるが、ケーブルを巻き付けたままでは5A程度の電流値でも危険です。
事例から、ケーブルを密に敷設して放熱性能を阻害するのは非常に危険なことであり、避けるべきです。しかし、ケーブルを敷設できるスペースが限られてしまうのは往々にして発生しやすい事象であり、ケーブルラックにケーブルを段積みすることは、やむを得ない施工方法です。設計段階から、ケーブルの段積みについて考慮し、経済性と施工の合理性を判断して、適正な設計を行うのが望まれます。

参考サイト
電気設備の知識と技術 https://electric-facilities.jp/denki4/okunai.html
Wiki 許容電流


熱分解装置 Biogren はスクリューに電流を流しジュール熱で加熱、熱分解を行なっています。そのため電線の選定のみならず電線の敷設方法は非常に重要です。但し、通常スクリュー加熱源の大きな電力を使用する電線ケーブルは製造元より製品と一緒に出荷します。又、電線敷設についてのご相談もお気軽にお寄せ下さい。
電気式加熱式の熱分解装置は石油燃料のタイプと比較すると運転、調整、操作が楽で、安全衛生面は優れています。

 

化石燃料式との比較

 

仕 様

 

Biogreenは電気加熱での連続式熱分解装置ですので、運転は簡単で安全衛生面に優れています。
原料の利用用途に合わせた熱分解処理が、温度及び滞留時間調整で簡単に行えます
廃棄物、バイオマスのBiogreen熱分解処理でガス化炭化オイル製造ができます。
発電、燃料、土壌改良剤、原料使用など様々な用途で利用できゼロエミッションが可能です。

 

乾燥機 KENKI DRYERhttps://kenkidryer.jp
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