廃タイヤ Biogreen 熱分解処理 / テスト事例

廃タイヤの熱分解装置 Biogreen でのテスト事例です。

1.供給原料
破砕された廃タイヤ
破砕タイヤにはこれ以上取り除くことが出来ないワイヤーとロッドは含まれています。下記写真は左側が供給原料、右側が熱分解処理後の炭化物です。

廃タイヤ Biogreen 供給原料 熱分解処理後の炭化物 2017.7.11

 

2.熱分解処理後の産出物 質量換算
処理条件:熱分解温度650℃、滞留時間20分

  • 炭 40%
  • ガス 30%
  • 油 30%

3.炭の成分
50~80%炭素 NSA(表面の総面積)60-85㎡/g、STSA(外面の総面積)60-85㎡/g
低いグレードのカーボンブラックの代替品となるものを検討してもよいと思われます。

4.ガスの成分(質量パーセント濃度)
発電が可能です。但し、H2が多いため成分内のH2に対応可能な発電機を使用する必要があります。
CH4 – 40%
H2 – 19%
CO – 3.5%
CO2 – 6.5%
C2H4 – 10%
C3H6 – 7%
C2H6 – 6.3%
C4H8 – 4%
CnHm – 3.1%
H2S – 0.6%

LHV 低位発熱量- 40.4 MJ/Nm3

5.油の成分
15% H2O, 33 MJ/kg (乾燥), 非常に複雑な混合物 – 上位の成分(スチレン、ナフタリン、キシレン)は成分全体の約30%以下に過ぎません。
複雑な油のブレンドが原因で、これに関わる殆どのプロジェクトでは、温度を保ち(冷却と凝縮液化を避け)ながらより効率的に高温の合成ガスを燃焼させる下記方法をお勧めします。

1)煙管ボイラーと復水式蒸気タービン
30 bar, 300℃ -> トータルで約830kWe の成果物

2)水管ボイラーと復水式蒸気タービン
40 bar, 450℃ -> トータルで約990kWe の成果物

3)燃焼室とORC(ターボデン社)による構成
予想される効率 20% -> トータルで約850kWe の成果物

その他の方法としては、ガスと油を別にして冷却するものです。少なくとも、凝縮液化していない部分のガスはエンジンの内部燃焼に使うことができます。
ETIAの経験では、この方法ではよりコストがかかっていますが、それはイギリスとドイツのエンジン製造会社と作業をしており、彼らのコストが高いからです。